睡眠と病気不眠症はうつ病のサイン


■ 不眠とうつ病の関係が注目されている。

うつ病は心の病であり、気分が落ち込むなど精神的な症状に関心がいきますが、実際にはそれだけでなく食欲減退や体重減少、頭痛、疲労、倦怠感などの体の不調をともないます。うつ病と診断されるのはこうした体の症状の変化だそうです。このうち、9割以上の人が不眠になります。

不眠とは物理的に睡眠時間が足らない睡眠不足とは違い、睡眠時間はたっぷりあるのに「眠りたいのに眠れない!」状態のことです。不眠が続くと日中の仕事にも障害がでて不眠症になります。これがうつ病のサインです。

バブル崩壊以降の日本はリストラ等により内向きなストレス社会となり、不名誉な「自殺大国」となり、毎年3万人以上の人が自殺しています。その背景にうつ病患者の増加が指摘されています。

うつ病の人のほとんどは不眠で悩んでいます。不眠の人で体調の不良を伴う場合は、不眠症だけでなくうつ病を疑ってみる必要があります。

静岡県の富士市では「お父さん、眠れている?」「2週間以上の不眠はうつのサイン」をキャッチフレーズにした「富士モデル事業」を行いうつ病の早期発見で成果を上げています。うつ病は適正な治療をすれば治る病気です。



■ ビタミンB郡の不足と関係が深い、うつ

心の健康と栄養の関係ははっきりとは解明されていませんが、うつがビタミンB郡の不足と関連していることが多く報告されています。なかでも葉酸と呼ばれるビタミンB9は、気分を落ち着かせたり健康的な神経システムを保持する役割があり、摂取量が少ない人ほどうつを発症する割合が高いという調査結果があります。

葉酸はブロッコリーやアスパラガスなどの野菜やグレープフルーツなどの果物、緑茶などに多く含まれています。

ビタミンB6・B12も神経にかかわっています。特にビタミンB12は、高齢者や、肉・魚などの動物性食品を食べない人に不足しがちなので注意が必要です。ビタミンB郡の摂取を意識して、心の健康を保ちましょう



ビタミンB9(葉酸)を多く含む食品

ブロッコリー、アスパラガス、緑茶、アボカド、春菊、グレープフルーツ


ビタミンB6を多く含む食品

にんにく、小麦胚芽、本マグロ、そば粉、カツオ、黒砂糖、うるめいわし、鳥レバー、ひよこ豆、大豆、くるみ、玄米、アボカド


ビタミンB12を多く含む食品

干し海苔、ごまめ、鮭、牛レバー、アサリ、はまぐり、鳥レバー、牡蠣、豚レバー、プロセスチーズ



■ うつ病・・・治療は医師との信頼関係が重要

治療には、仕事を休むなどの休養、抗うつ薬などの薬の服用、精神療法といった選択肢があります。大半は薬で治療しますが、効きにくい人では薬と精神療法を併用することになります。

うつ病は脳の健全な活動に必要な物質が足りなくなって起こります。抗うつ薬はこうした物質を正常な量に保つ働きをします。副作用の少ない新しい薬「SSRI」「SNRI」を主に使います。

治療だけでなく再発防止にも効果があり、最近では薬を服用する期間が長くなってきています。

薬は抗うつ薬のほか睡眠薬や抗不安薬などを一緒に服用する場合もあります。ただ、抗うつ薬を2種類以上使っても、1種類と比べて効果がでるわけではありません。


精神療法では、物事の考え方やとらえ方を変えてゆく「認知行動療法」が注目されています。ただ、、この療法をできる医師や臨床心理士はまだ少ないという問題があります。精神療法を受けても、薬を併用することになります。

治療で特に重要なのが、主治医と患者との信頼関係です。医師とよく話し合い、患者自身が病気をよく理解して、薬の服用も納得したうえで、治療を進めていかなければなりません。



うつの初期症状チエック

次の項目の内2つ以上が2週間以上続き、つらく感じたり、生活に支障が出る場合は、できるだけ早く医師の診断をうけましょう。


□毎日の生活に、張りが感じられない。

□今まで楽しめたことを楽しめない

□わけもなく疲れを感じる。

□今まで楽にできたことを、おっくうに感じる。

□自分が役に立つ人間だと感じられない。




心の健康に効果的なツボ療法

うつ状態からくる頭の重苦しさには百会(ひゃくえ)、イライラをしずめるには神門(じんもん)、全身の緊張をやわらげるには肩井(けんせい)・心愈(しんゆ)が効果的


百会(ひゃくえ)のイラスト 神門(じんもん)のイラスト 肩井(けんせい)のイラスト 心愈(しんゆ)のイラスト


百会(ひゃくえ)

両耳をまっすぐ上がった線と眉間の中心から上がった線が交差するあたりの百会(ひゃくえ)は、両手の親指で指圧する。


神門(じんもん)

手のひら側、手首の関節の小指寄りの端にある神門(じんもん)は、親指で強めの刺激を加える。


肩井(けんせい)

首の後ろの根元と肩先の中間にある肩井(けんせい)は、肩をつかむようにして、親指で強めに揉み押す。


心愈(しんゆ)

干肩甲骨の内側、背骨をはさんだ両側にある心愈(しんゆ)は、両手の親指で左右同時に押す。